意外と知らない”慢性痛”

2018-05-08

キネシオロジスト兼ボディートーカーの院長です♫

久々にサボりまくってるブログの更新です(^_^;)汗

 

皆さんは急性痛慢性痛の違い、とりわけ痛みのメカニズムの違いって知ってますか?

 

急性痛とは生体が侵襲され、今、命が危険にさらされていることを報せる警報信号です。

危険から一刻も早く逃避し安静と治癒を促す本来備わったシステムで一般的な捻挫・打撲・切り傷・火傷・骨折などの時に起きるメカニズムです。

簡単に言えば

①組織の損傷により炎症が起きて

②痛みを伝える神経線維によって脳に組織の損傷を教える

と言うことです。

 

では、慢性痛とはどんなメカニズムなんでしょう?

最近出たこの本が分かり易く書いてます↓↓・・・が、一般向けの本ではありません(^_^;)汗

なので、この本に沿ってできるだけ一般の方にも分かるように説明します・・・(;・∀・)デキルカナ汗

 

一口で慢性痛と言っても、とても奥が深いので、どうしても難解な部分が出てくると思います(^_^;)

その部分は多少読み流しても、概要だけでもなんとなく読んで頂ければ少しは役に立つのではと思います(^-^)

この先、慢性腰痛や椎間板ヘルニア、帯状疱疹後神経痛、関節リウマチ、ガン等、多くの方がお悩みの症状も登場します。

ご自分に関係しそうなところだけ読んで頂くのも良いかと思います。

 

ではまずは!!慢性痛の定義から。

「治癒に要すると思われる時間を超えて持続する痛み」となります。

簡単に言えば「全治〇ヶ月」と言われたのに、その「〇ヶ月」を超えても痛みがあるものを慢性痛と言います。

 

そして、慢性痛には今現在3種類あると言われ「侵害受容性」「神経障害性」「非器質性」の3つがあります。

それぞれ説明していきますね。

 

1つ目の「侵害受容性」から。侵害受容性には変形性関節症・関節リウマチ・ガンなどが含まれ、自己免疫系細胞による「慢性炎症」を指します。

(これには、自己と非自己の認識や生理活性物質「エンコサノイド」のバランスなども含まれますが、話が長くなるので割愛します(^_^;))

さて、自己免疫細胞とはマクロファージ・樹状細胞・線維芽細胞・好中球などを指し、これらは細菌やウイルスなどの異物を処理してくれる身体に備わった防衛隊みたいなものです。

では、自然免疫系細胞による「慢性炎症」とはどういうことなのか?

難しければ読み流して下さいね。

変形性関節症関節リウマチを例にとって説明します。

(※ちなみに、この2つの疾患は近年同一メカニズムでは、と言われています(^O^))

 

1、骨と骨の間には膜で包まれ液体で満たされた関節腔と言う空間があります。ここに損傷によって軟骨の微細断片や細胞内分子が浮遊します。

ちなみに、ここが重要なのですが、

実は軟骨には痛みを伝える神経線維(C線維、Aδ線維)が少なく損傷してもあまり痛みを感じません。

当院がメンテナンスを大切にしている理由の1つにこれがあります。

この段階で対応しないと次のステージになるかもしれません。

2、関節腔に浮遊した物質を自然免疫細胞が危険信号DAMPs(侵害関連分子パターン)として検出します。

ちなみにDAMPsは細胞内分子・脂肪酸・LDLコレステロールなど自己代謝産物も含まれます。

また関節腔に細菌などが侵入した場合はDAMPsではなくPAMPs(病原関連分子パターン)となります。

3、DAMPsを検出するとタンパク質複合体インフラマソームを形成しIL-1β・IL-18を放出し低程度炎症により異物を除去します。

ちゃんと処置すれば通常の関節炎はここ(低程度の炎症)で終了するはずなんです。

しかし…

4、アライメントの不良や身体が炎症を起こしやすい状態などの場合は炎症が治まらずTNF-α・IL-6・IL-8など炎症性サイトカインが大量放出し滑膜(関節腔を包む膜の内側)にも炎症が拡大します

5、細胞外マトリックス(Ⅱ型コラーゲンなど)生成阻害・分解酵素プロテアーゼ(MMPs・ADAMTS)の増加、つまり、関節の構造を作れず分解が始まり軟骨細胞のアポトーシス(軟骨細胞の破壊)が起こります。

6、さらにDAMPsが増えて、炎症性カスケード(炎症の連鎖反応)が起きて滑膜の増生・骨棘の形成・関節包の肥厚が起こります。

以上が「侵害受容性」急性炎症の延長線上にある慢性炎症です。

つまり、対処療法(痛みの場所へのアプローチ)でも効果が出るかもしれません

(慢性炎症になる原因は触れてません。いろいろと別の問題も絡んでくるので割愛します(^_^;)汗)

 

さて、問題はここからです。2つ目のタイプに移ります。

次は「神経障害性」椎間板ヘルニア・脊髄損傷後の痛み・帯状疱疹後神経痛などを含み、

末梢神経が圧迫・切断されたり、熱・化学的刺激・ウイルス感染・高血糖などで傷つけられたとき、

中枢神経の一部が脳梗塞・脳出血・頭部外傷などにより損傷されたとき

などに起こります。

 

神経障害性慢性痛のパターンは3つほど解明されており、1つ目は

1、末梢神経の損傷により、脳への痛みの刺激(活動電位)が高頻度で起こります

2、脊髄後角(感覚を脳に伝える場所)で痛み刺激(活動電位)の増幅が起こります。

3、過剰な興奮性の信号(痛みの信号)が脳の中の扁桃体・帯状皮質・島皮質・視床・大脳皮質感覚野などに送られ、脳の構造と機能が変化します。(神経可塑性)

4、これらの脳の場所は情動(感情)にも関連し痛みの記憶として保存されます。

 

2つ目は

1、頚椎症性脊髄症・腰椎椎間板ヘルニア・糖尿病性疼痛などでは脱髄と言われる神経を包む髄鞘という絶縁体のような細胞が損傷されることがあります。

2、損傷の場所で活動電位が発生し脳の中で内側前頭皮質・吻側前帯状皮質・側坐核・上前頭回・下側頭回が興奮します。(Na+チャンネルの影響)

 

3つ目は

1、末梢神経・中枢神経の損傷及び細菌感染や虚血などによりATP(細胞を動かすエネルギー)が細胞外に放出されます。

2、ミクログリア(神経を守る免疫細胞)が活性化し脳由来神経栄養因子(BDNF)やIL-6などのサイトカインを放出します。

3、BDNFが痛覚ニューロンの受容体に結合し痛覚ニューロンが興奮し痛みが増大します。

以上が「神経障害性」の痛みについてです。

難しいですね。平たく言えば、いずれのパターンも炎症反応というよりも神経の誤った興奮です。

さらに、情動という感情も関わってきます

・・・つまり、対処療法(痛みの場所へのアプローチ)だけで効果が出るかは微妙かも・・・(;・∀・)汗

 

さて、最後に「非器質性」の慢性痛です。

これには一般的に慢性痛と呼ばれる慢性腰痛・線維筋痛症・顎関節症・過敏性腸症候群などが含まれますが、

ここに注目です。

「発痛物質や炎症反応の見当たらない、脳の疼痛抑制機構の機能不全による痛み」

どういうことか?

一般的な「原因不明な慢性痛」脳の誤作動なんです。

 

では、一般的な慢性腰痛のメカニズムから。

慢性腰痛の推移としては数週間かけて①急性腰痛→②亜急性腰痛→③慢性腰痛と移行します。

急性腰痛では痛みの場所に炎症が起き、それを脳が認識するのですが

亜急性腰痛では末梢つまり痛みのある周辺に何らかの痛みの源が存在し、感覚・弁別系の神経核のある脳の中の視床・島皮質・前帯状皮質が興奮します。

慢性腰痛では感覚・分別系の神経核は興奮せず、つまり末梢に痛みの源が存在しておらず情動・認知に関わる神経核がある扁桃体・眼窩前頭皮質・内側前頭皮質などが興奮します。

つまり、脳内の活動場所の変化=脳の誤作動が起きています。

また、情動が快情動<負情動になる内側前頭皮質-扁桃体-側坐核のネットワークが強くなり

脳の疼痛抑制系(痛みの和らげるメカニズム)の機能が低下し痛みの原因となります。

線維筋痛症でも脳の構造の変化つまり脳の誤作動が認められます。

通常は痛みが出ると脳内の線条体というところからドパミンというホルモンの量が増加し、ν-オピオイド受容体に結合し、ν-オピオイドが脳内に分泌され、下行性疼痛抑制系つまり痛みを和らげるメカニズムが作動し痛みを軽減させるのですが、線維筋痛症の場合、下行性疼痛抑制系の神経核のある吻側前帯状皮質・視床下部・海馬傍回・中脳水道灰白質などでν-オピオイド受容体の減少や消失がみられます(=痛みは軽減しません)。

吻側前帯状皮質は精神活動や自律神経活動の安定に重要な役割を有していて忌避感情や恐怖を仲介する扁桃体やストレスに応答する視床下部、社会脳に関係する腹内側前頭皮質と結びついているため、

この部位の機能低下は快感喪失・意欲の低下・うつ・睡眠障害・自律神経失調・感情的混乱・孤立感を生み出します。

 

最後に、頻繁に出てきた情動について補足します。

快の情動生きる意欲や根源的な生命活動の支え脳の疼痛抑制系を確立します。

一方、負の情動不安やストレス応答に関係し、脳の扁桃体や海馬支脚が関与します。

負の情動が過剰にならないように通常は理性・思考・創造性・道徳観の形成に関与する前頭皮質が負の情動を抑制しています。

中でも内側前頭皮質が扁桃体基底内側部を抑制するのが知られていて、この活性が高いと不安行動や恐怖関連のすくみ行動が抑制されることが知られています。

さらに、内側前頭皮質は腹側被蓋野や側坐核などを刺激して快情動を高めますつまり、痛みの抑制に深く関わっています。

しかし、内側前頭皮質-扁桃体基底内側部のネットワークは進化的に新しく過度の恐怖や不安を抑制することが難しく負の情動へと暴走させやすいため、下行性疼痛抑制系の機能が低下しやすく慢性痛へなりやすい一因となります。

・・・つまり、対処療法(痛みの場所へのアプローチ)だけで効果が期待できるのか???かも・・・Σ(゚д゚lll)汗

 

以上が慢性痛に対しての最新の知見です。

 

さらに、上記の事は慢性痛の痛みを起こすメカニズムであって慢性痛を起こす原因はさらに別にある可能性があるわけで、本当に慢性痛って奥が深いんです。

 

対処療法(痛みのある場所へのアプローチ)を否定するわけではありません。それにより改善する場合もあるかと思います。

しかし、長期間対処療法を行っているのにあまり効果がない、こんなものだと諦めている方なんかは、

より複雑なアプローチによって改善する余地があるかもしれないということです。

 

 

だから当院はCBSとボディートークで施術します。

CBSでは脳の誤った認識にアプローチする時もありますし、慢性痛を起こす原因にアプローチする時もあります。

ボディートークでは心身すべての意識を観察し情動と慢性痛の関連も含め心身のネットワークの修正を図ります。

また、上記のように症状が脳の誤作動の場合もあるので症状と関係のない施術になることも多々あります。

 

尚、当院は診断・治療行為等は一切行いません。

CBSもボディートークも医療に変わるものではございませんので、お間違いのないようご注意下さい。

CBSもボディートークも優先となる反応をみながら自然治癒力向上のお手伝いをしているだけです。

 

心身の事で何かありましたらお気軽にお問い合わせ下さい。

いつものことながら難解な内容なので、記事への質問でもいいですよ♪

長文、最後までお付き合いくださりありがとうございますm(_ _)m

 

 

 


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