前回は消化管(体外)で働く「消化酵素」のお話でしたが、今回は体内で働く「酵素」について書いていきますね。
「酵素」の作用については、前回のブログを参照してもらえればいいのですが、簡単に説明すると「生体内外で化学反応の速度を速め、自身は反応の前後で変化しない触媒として機能する分子」となります。
身体の中や外で起こる化学反応の速度を速めてくれる物となります。
「消化酵素」は消化管(体外)で食べたものを細かくして体内に吸収しやすくするのに働きましたが、「酵素」は何をするのでしょうか?
大まかに3つ挙げることが出来ます。
1,食べ物から吸収した物質を使って身体の構成成分を作り出す。
→酵素が働かなければ、身体が材料不足になる可能性があります。
2,食べ物から吸収した物質を使ってエネルギーを作り出す。
→酵素が働かなければ、エネルギー不足で生命活動が低下する可能性があります。
3,身体の不要な物を排出する。(解毒)
→酵素が働かなければ、身体に不要な物(ゴミ)や毒素が溜まる可能性があります。
どれも人が生きていく上で欠かせない機能ですよね。
更に、「酵素」には次に挙げる特徴があります。
1,「酵素」はタンパク質から作られ、一部はビタミン(補酵素/有機化合物)やミネラル(捕因子/無機イオン)を必要とする。
2,熱に弱かったり、最適なPHが必要だったり、酵素が働く上で条件がある。
3,一つの「酵素」は一つの化学反応しか作用しない。
体内には、おおよそ5000種類の酵素が存在すると言われ、1つ1つの酵素が1つのだけの化学反応に作用し、最適に作用するPH濃度も異なったりしています。
「この酵素があれば大丈夫!」なんていう、うまい話なんて無いんです。
また、酵素はタンパク質から出来ているので、タンパク不足の方だと十分な酵素が作られていない可能性があります。
更に、酵素の種類によってはビタミンやミネラルが必要な酵素もあります。
例えばマグネシウムが必要な酵素は300種類以上・亜鉛が必要な酵素は120種類以上とも言われます。
糖質制限食やメガビタミン療法、オーソモレキュラー栄養療法などの分子栄養学などは、この酵素作用の最適化に焦点を合わせている療法になります。
ちなみにグルテンフリーはアレルギーなど炎症反応に焦点を合わせているので、目的が異なります。
本来は食事から全ての栄養素を摂取出来れば良いのですが・・・なかなか難しい世の中なんですよね・・・
少し視点を変えて、
野菜って、土に植わってますよね。つまり、その土地の土の栄養素の野菜が出来るんです。
大量生産すると、当然、土地の栄養素が枯渇します。そうすると野菜の栄養価も下がると言われています。
現に今と昔で野菜の栄養価は違うらしいです。
更に地域によっても、土地の栄養素の量が違います。
つまり、いろいろな土地の食べ物を食べないといけないって事です。
また、消化能力も先祖代々住み続けた地域の食材に順応するとも言われます。
欧米人が海藻を消化しづらい、日本人が小麦を消化しづらい などが起こりやすいと言われるのは、消化の順応性が影響したものと言われます。
本来なら、日本人は貝類や木の実や山菜、雑穀や魚、ジビエなどなんでしょうが、食べる機会が減ってますよね。
ちゃんとした食事は、お金がかかりますし。
難しい時代だと思います。
少しとりとめのない回になりましたが、要は、「これを摂れば大丈夫!」なんて都合のいいものはないので、
食べ物やサプリ、運動など、いろいろ気を遣っているつもりでも、不調が出る・改善されないことはあり得ます。
何かお困りのことがありましたら、お気軽にご相談ください。