こんにちは、キネシオロジーが大好きな院長です♪
気が付けばブログを1年サボってました…(^_^;反省
今回は、クライアント様にやたらと多い精神的ストレスについて書いていこうと思います。
精神的ストレスについてはいろいろな How to 本が出てますが、今回の内容は違う側面から見ていこうと思います。
精神的ストレスには対人ストレスや金銭ストレスやトラウマなどいろいろありますが、根本には生を受けてから今まで生きてきた中での人格形成が大きく影響します。
人格が形成される中で必然的に長所と短所も生まれてきます。どういう長所と短所を持つかによってストレスに対する抵抗性が大きく変わります。
人格形成には栄養素の問題も大きく絡んできますが、内容が膨大な量になるので栄養に関しては今回は割愛します。
さて、人格形成っていつ頃から始まるのでしょうか?
思考は脳のネットワークが影響してきますが、ネットワークが形成され始めるのは母親のお腹の中にいる頃、つまり胎児期からすでに始まっています。
妊娠中の葉酸などの栄養サポートがこれに当たります。
「…っえ、そこから始まっているの?」と思う方が多いのではないでしょうか?
なるべく簡潔にまとめたいので割愛しますが、厳密には気質レベルに関しては遺伝的要素があるので、赤ちゃんとして母親のお腹に宿る前から影響してるのです(生まれか育ちかの生まれの部分)。
「…自分の思考ってどうしようもないものじゃない?」って思う方もいますよね。そこが結構大切な部分なのですが、話を進める前に少し脱線してストレスと切っても切れない自律神経について少しお話します。
自律神経は大きく分けて交感神経と副交感神経の2つに分けられます。
この2つは他の動物とも共通していて簡単に説明すると
交感神経…天敵と戦ったり逃げたり獲物を獲得するための神経(闘争逃走反応)
副交感神経…脅威が去ったり獲物を獲得した後にのんびり食事したり休息するための神経
になります。
また、それぞれの神経が過剰に働くと
交感神経…過敏・不安・恐怖などが起きます。
副交感神経…フリージング(固まる)が起きます。
興味のある方はSAM系・HPA系・LC-NE系で調べてみて下さい。
これに人間(知能の高い生物)の場合、社会脳という物が含まれます。
思考や動きに対応する脳の表面(大脳皮質)と脳の中心部(生命維持や反射反応など)の連携で、状況を判断して適切な対応をとる為の機能になります。
詳しく知りたい方は多重迷走系(社会脳/ポリヴェーガル理論)で調べてみて下さい。
これら3つ(交感神経・副交感神経・社会脳)の働きの簡単な例を挙げると、
乗っていた飛行機が墜落していくとします。
・「ギャー」と騒ぐ…交感神経型
・固まって動けなくなる…副交感神経型
・「落ち着いて下さい」など冷静に対応する…社会脳型
となります。
(鬼○の刃なら 交感神経型…伊○助 副交感神経型…善○ 社会脳型…炭○朗 かな…必要無い情報ですね(^_^;)汗)
ようやく本題に戻りますが、この3つの神経系の形成には愛着システムという出生~3歳までの経験が大きく関わってきます。
人間(知能の高い生物)は思考や動きを司る脳の外側(大脳皮質)が大きく発達しました。そのため、脳が完成した状態だと頭が大きすぎて産道を通れないために、進化の過程において生まれてくる際はあえて脳を未熟な状態にして出産後に発達させる選択をしたと言われます。
そして出産後の親(養育者)が子に行う育児により子の脳が発達するシステムを愛着システムといいます。
まずは出産からです。
胎児にとって出産は生きるか死ぬかの最初の試練とも言えます。
安全な母親のお腹なのかで臍帯(へその緒)を通じ栄養から酸素まで提供してもらっていた状況から狭い産道を通り自力で呼吸しなくてはならない。とても過酷なことですよね。
なので、出産時の赤ちゃんの交感神経は興奮状態と言われます。
では、上がってしまった交感神経をどのようにして下げるのでしょう?
それは、母(養育者)と子のスキンシップです。初めて感じるぬくもり(触覚)・初めて感じる母(養育者)の香り(嗅覚)・初めて聞く母(養育者)の声(聴覚)・おぼろげに見える母(養育者)の立体像(視覚)・初めて感じる母乳の味(味覚)など五感を全身で感じることにより副交感神経が優位になり交感神経が落ち着いていきます。
なので現在は出産後、赤ちゃんを母に早めに抱っこさせるようにしています。
ただ出産は母も子も命懸けである以上、いろいろとトラブルも起きてしまいます。難産の子は交感神経が優位になり易いとも言われており、出産を通して自律神経のバランスが変化する可能性があるのです。
この出産を等しての自律神経のバランスをもとに(遺伝的気質や栄養状態による神経細胞の構成状態などもありますが)愛着システムにより人格形成が始まっていきます。
まず脳機能で最初に始まる学習は共感です。
赤ちゃんが不快なこと(お腹がすいた・おしっこして気持ち悪い・暑い・寒いなど)を感じ泣いた際、養育者が赤ちゃんに何かあったんだと気が付くことにより子と親の共感が始まり、赤ちゃんは気付いてもらえてるんだと共感を学習していきます。
この段階が上手くいかないと共感性を学習することが出来ないと言われています。「なんでこの人は共感性がないんだ」って言われる人は、この段階での学習が出来ていない可能性があります。
次にこの共感を土台にして不快に対応する右脳が成長していきます。
赤ちゃんがお腹がすいたやおしっこして気持ち悪いなどの不快な状況を養育者が共感を通して気付き対応してくれる事により、赤ちゃんは不快な事が起きても大丈夫なんだと学習し右脳(さらに詳しい場所は扁桃体)の不快への対応能力が上がっていきます。
なので極端に不快(嫌なこと)に対して弱い人は、この段階での学習が出来ていない可能性があります。
ちなみに右脳は直感力と関連があると言われます。
次に、このようにして身に付けた共感力と右脳の不快への対応力を土台とし、快や思考に対応する左脳が成長していきます。
養育者が「これは良いよ、あれは駄目だよ。これはやっても良いよ、あれはやっても駄目だよ。」など幼児を誘導することにより、幼児は「あれは良いんだ、これは駄目なんだ。」と思考の基盤を形成していきます。
これが愛着システムというものです。この思考形成の基盤作りの臨界期は3歳までと言われています。
まさに「三つ子の魂百まで。」です。
愛着システムでの学習が上手くいった場合は、状況を判断して適切な対応をとる社会脳が適切に機能していきます。
反対に愛着システムでの学習が上手くいかなかった場合は「愛着障害」と言い社会脳が適切に機能しなくなる可能性があり、大人の場合は「パーソナリティ障害」とも言われます。
興味のある方は「愛着障害」・「パーソナリティ障害」の書籍が数多くあるので読んでみて下さい。
余談ですが、「夏目漱石」や「太宰治」なども愛着障害だったと言われます。愛着障害故にその時代に自分の感情を表す言葉が見つからなかったので造語を作り上げたそうです。なんか切なく感じます。
ちなみに脳の完成は25歳頃とも言われます。それまでは理性を司る脳の領域が成長しきれていない為に俗に言う「若気の至り」が起きやすくなります。
さて、ここまで思考の基盤作りの話をしましたが何か気付きませんか?
そう、自分自身では思考の基盤作りが出来ないのです。
人にはそれぞれ長所と短所がありますが、3歳までの経験で大まかな流れが決まってしまいます。
自分自身の今ある思考はどうしようもない事なのです。
自分自身を「なんでこうなんだろう、なんでこんななの。」と責める人がとても多くいます。
しかし、思考の基盤は自分では作れません。自分を責める必要なんて全くないんです。
人は過去には戻れないですし前にしか進めません。なので、「仕方ないか、じゃあこうしようかな」みたいに短所も長所も両方受け入れ腑に落とし、今ある短所と長所を利用しながら前に進む方が行きやすいのかなと思います。
また中医学的な考えになりますが、短所の中には長所も有り・長所の中には短所もあります。短所と長所は表裏一体なので尚更だと思います。
さらに話を発展させると対人ストレスにも関係していきます。
「なんであの人はこうなの、どうしてこの人はこんなことするの!」などの悩みもとても多いです。
でも、その人も愛着障害により、そうなりたくてそうなったわけではない可能性はとても高いのです。
その人自身も知らず知らずのうちに人格形成されているかもなんです。
そうすると「仕方ないよね」「可哀想だね」って思えてきますよね。
ちなみに人の脳は主語を区別できないと言われます。人に言った悪口や批判の言葉は自分に言われたと勘違いするらしいいです。
悪口や批判を言ってハッピーになれる人っていないですよね。相手に対して悪口や批判しても自分が傷付くだけなんです。
この愛着システムなのですが、基本的に両親から受け継ぐものです。
なので家族性もありますが、受け継ぐものなので地域性→国民性→大陸性などもあります。
ストレスに対する抵抗力は人それぞれです。そして、それは仕方のないことです。
何とかしなくちゃと抵抗すると、過去を引きずりドツボにはまる可能性があります。
確かに受け入れることはとても難しいかもしれませんが、どう受け入れて・どう割り切りながら行動し・どう成長するかが大切なのかなと院長は思います。
人は十人十色です。上記の内容が全てではないですし、上記の内容が合う合わないあって当然です。
一つの情報・考え方として受け取って貰えれば幸いです。
何か心身でお困りごとありましたら、お気軽にご相談下さいね。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。